動画配信のすすめ

2021.09.17 ピックアップ
藤本

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言わずと知れたYouTubeのほか、世の中には様々な動画配信サービスがあります。配信する側にとっても、閲覧者にとっても、有料、無料、広告が出るものなど、本当に多種多様です。

これから動画を活用していきたいときに、自分の目的に合っていて、閲覧者が迷わずに快適に閲覧できる、運用中にトラブルが発生する可能性が低いサービスを、ゼロから自力で選ぶことは難しい場合があります。サービスを選ぶところまではできても、ご自身のウェブサイトやシステムにうまく載せることができなかったり、規約に違反したら活用できません。

先駆なら、長年のウェブ開発・システム構築の経験を活かし、多様なサービスを比較したうえで、最適なプランを提示できます。また、プラットフォームの構築までワンストップでご依頼いただけます。

目次

動画配信でよくある悩み

せっかく良い動画が撮れても、活用できなければとても勿体ない状態になります。 YouTubeやSNSに単純にアップすればいいだけなら簡単ですが、目的や条件によってはそうもいきません。たとえば、YouTubeの限定公開(URLを知っている人だけが再生できる仕組み)は、有料のイベントでは使うことはできません。

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以下のようなお悩みをよく伺います。

  • YouTubeがよさそうだが広告は出したくない
  • YouTubeで関連動画で変なのが出ると嫌だ
  • 有料でイベントの動画を配信したい
  • 動画はダウンロードされたくない
  • Vimeoってたまに見るけど何?
  • 結局いくらぐらい費用かかるの?
  • ストリーミング、ビットレート、アスペクト比・・・言葉が分からない。どう調整したらいいのかもわからない。

動画の知識、サービスの知識、システム・ウェブの知識

単純に用語がわからないだけなら調べればわかりますが、動画の知識がなければ、何をどう設定すればよいのかわかりません。単純に動画ファイルをhtmlのページに埋め込むだけでも再生画面は表示はされますが、容量が大きすぎると通信料が多く発生します。軽量化しようとしすぎると、カクカクしてとても見づらい動画になったりします。そういうときに、まず何から対応するべきかは、動画の知識がなければわかりません。

先ほども書きましたが、世の中には多くのサービスがあります。ストリーミング配信しようとするだけでも選択肢は多く、さらにそのなかで自分の条件や目的に合ったサービスを選び、規模感を想定しながら最適なプランを選んでいくためには、サービスの知識が必要です。管理画面が複雑で何をどうしたらよいのかわからない、というお悩みもよく聞きます。

さらに、サービスを選定し配信の体制が整った動画を、いよいよ活用していくためには、配信の場が必要です。プラットフォームを準備したり、ページ自体に閲覧の制限をかけたり、検索性を高めて見つけやすく閲覧されやすい状態にまでしていくためには、システムやウェブの知識が必要不可欠です。

何をどうすれば、今ある動画という資産を有効に使っていけるかを、これらの知識を最大限に活用して選んでいきます。

動画に関する基礎知識

動画配信を行うには、やはり動画に関する基礎的な知識が必要です。以下に、動画を扱う際に避けては通れない、動画に関する基本的な考え方と、主要なキーワードをまとめてみました。

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「動画のサイズ」

「動画のサイズ」と聞いたときに、何のことだと思いますか?

動画の表示上の縦横の大きさでしょうか。○時間○分のような動画の時間的な長さでしょうか。○○MBのようなファイルの容量でしょうか。

どれも正解といえば正解ですが、配信のときに一番問題になるのは、「○○MBのようなファイルの容量」です。配信する側にも費用面で大きく影響し、閲覧者の方も、Wi-Fi環境でなければ、通信料に大きく影響します。

この「ファイルの容量」を抑えながら、快適に閲覧できる品質を保てるかがキモになってきます。

動画ファイル形式とストリーミング再生

MP4やMOV、WMVなど、動画のファイル形式にはさまざまあります。動画ファイルを何の加工もせずに直接設置した場合、ファイルの形式によっては再生できない場合もあります。

先駆では、配信方法や対象に応じた動画の形式の変換についても対応可能です。

動画に関する主要なキーワードの解説

ビットレート

動画を配信するときに重要な要素のひとつに、「ビットレート」があります。「ビット」というのは、データの容量の単位です。よく聞く「バイト」は8ビット分です。

単位時間あたりにどのくらいの容量のデータを送受信することができるのかが「ビットレート」であり、よく「bps (bit per second)」というような単位を使います。secondなので秒あたりです。

映像や音声のクオリティを高くすると、ビットレートも高くなります。問題なく再生できる環境であれば品質が高いほうが満足度が高いですが、高いビットレートのデータを処理できるだけの通信速度や機器等の準備ができなければ再生自体が重たくなり、通信量もかさんできて、サーバーへの負荷もかかります。

閲覧者が満足できる品質、かつ負荷が最低限になるレベルを探りながら、ビットレートを適性値に調整しなければなりません。

エンコード

今では見かけることも少なくなりましたが、ウェブサイトが文字化けしているときに、「エンコード」を変更して文字化けを解消した、という経験をお持ちのかたもいらっしゃるかと思います。

「エンコード」とは、何かのデータを規則にしたがって別の形式に変換し、変換されたデータを受け取ったあとに元のデータ(または元のデータに近い形)に組みなおして表現できるようにすることです。この規則のことを「コーデック」といいます。「コーデック」にはさまざまな種類があります。テキストデータでも、動画データでも、容量を縮めて、かつ多くの環境で表現できるように、「エンコード」が欠かせません。

動画は、映像データと音声データを「コンテナ」としてまとめたものです。先ほどの「コーデック」にしたがって圧縮された動画データを受け取った側が再生するためには、その「コーデック」に対応している必要があるため、見た目上似たような動画ファイルでも、環境によっては再生できない場合があります。

フレームレート

映像ファイルは、少しずつ異なる静止画を一秒間に何枚も表示させて、動いているように見せています。一秒間に何枚表示させるかが「フレームレート」で、単位は「fps (frames per second)」です。テレビ放送であれば約30fpsなので、一秒間に約30回画像が切り替わっています。

このフレームレートを少なくするほど、もちろん動画のファイルサイズは軽量化できますが、そのぶん動画自体がカクカクしてきます。フレームレートを高くすれば滑らかにはなりますが、ファイルが重くなります。また、動画の内容にもよりますが、必要以上にフレームレートを高くしないほうが、動画として勢いがあり満足度が高くなる場合もあります。そのあたりは調整ですが、テレビ放送と同等のフレームレートがあれば、一般的な動画としては充分であると言えます。

画質(画像サイズ:SD、HD、フルHD、4K、8K)

スマートフォンのカメラや液晶が高品質になってきて、「4Kの動画に対応」というようなコピーを目にされることも増えてきたのではないでしょうか。また、テレビ放送も、2021年の段階では、「8Kに対応」という言葉もよく聞かれるようになってきており、「8K対応テレビ」も多く見かけるようになっています。

この「4K」や「8K」は、解像度を表しています。「4K」であれば、横方向が約4000個の画素、「8K」であれば、横方向が約8000個の画素です。よく聞く解像度としては、以下のようなものがあります。

SD 720 px × 480 px
HD 1280 px × 720 px
フルHD 1920 px × 1080 px
4K 3840 px × 2160 px
8K 7680 px × 4320 px

大きな画面や、高精細な液晶で閲覧する場合は、動画のサイズが大きいほうが美しく観れますが、当然ファイルサイズに影響してきます。すべての閲覧者が8K対応の画面で閲覧しているわけではありません。

また、全画面表示させずにページ内に埋め込む使い方をしたり、動画の美しさではなく内容が重要なeラーニング等に用いるのであれば、過剰に大きなサイズで作ると容量の無駄遣いになります。

画像サイズについても、閲覧環境や動画の目的にあわせて適切なものを選んでいく必要があります。

アスペクト比

動画や画像は、元のサイズがどのようなものであっても、拡大または縮小して使うことができます。その際に重要になるのが「アスペクト比」です。簡単にいえば縦横比です。

古いテレビ番組の動画を再放送するときに、画面の左右が黒くなっていたり、あるいは、動画が拡大されて上下がトリミングされてしまったりするのは、このアスペクト比が合わないことが原因です。

  • 4K:3840 px × 2160 px

の動画であれば、そのまま比率の形で書くと3840:2160ですが、240で割って簡単な整数にして16:9と表示されることが多いです。使い道によって適切なアスペクト比があるので、よく選ぶようにしましょう。

主要な4つの動画配信方法

先駆ではこれまで様々な動画配信に関する業務支援を行ってまいりましたが、主に、YouTube、Vimeo、Amazon Web Service(以降「AWS」)、Jstreamといった、4つのサービスを中心に提案してまいりました。それぞれのサービスについて、その概要を紹介します。

YouTube

YouTubeは普段閲覧されている方も多いと思います。

  • ウェブサイトへの埋め込みが簡単に実現できる
  • サービス自体の利用料がかからない
  • 各言語の字幕なども出すことができる
  • 無料で限定公開のオプションも選ぶことができる
  • APIが充実しており、動画のIDがあれば付随するさまざまな情報を取得し活用することができる
  • 再生状況などの分析ツールが使用できる

など、メリットが多くあります。

意識しておくこととしては、

  • 無料なので広告が出てしまう
  • 仕様が比較的変わりやすい
  • 関連動画で不適切なものが表示される場合がある
  • 「限定公開」は有料のイベントでは使用できない

などがあります。

特に、関連動画については、動画の目的によっては大きな問題に発展することもあるので注意が必要です。

Vimeo

Vimeoは有料の動画配信サービスです。

プランによってストレージの容量や機能が異なりますが、2021年8月時点では、月々700円(年間払いの場合)からプランがあります。チームでの動画管理に向いたサービスで、Pro以上のプランならレビュー・承認機能もあります。

これもウェブサイトへの埋め込みができますし、広告が表示されず、不適切な関連動画も表示されません。

会費や参加費が必要なイベントでも懸念無く使用できます。

動画コンテンツを有料で販売したい場合、購入で何度でも再生できたり、レンタルで期間限定で再生できるようにしたりなど、配信の仕方はたくさんありますが、Vimeoの決済機能が使えますので、自分で決済のシステムを用意しなくても実現ができます。

また、デジタル著作権管理にも対応しており、再生回数を制限したり、動画が容易にダウンロード・複製できないような保護をかけることもできます。

Amazon Web Service(通称:AWS)

Amazonが提供しているクラウド上のサーバーを借りて、サーバー上に動画ファイルを設置して配信する方法です。

Huluなど有名なサービスもAWSで実現されています。

AWSの管理画面は、機能が多い分、慣れないひとには何をどうしたらよいのかわかりにくいほどメニューが充実し、ファイルも動画用に作りこまれた画面ではなく、ファイル管理としてサーバーにアップする作業が必要になりますが、そのあたりは先駆が強力にサポートします。

データのやりとりが発生した分しかサーバーの費用が発生しないところが一番のメリットで、動画の容量や再生回数によってはかなりコストが低い状態で高速な配信が可能です。

目的に応じたカスタマイズも柔軟にできますし、もちろん不適切な関連動画が表示されることもなければ、広告が表示されることもありません。

特に、有料のイベントで特定の範囲にだけ動画を配信したく、サービスの利用費は抑えたいというときにオススメです。

Jstream

Jstreamも有料の動画配信サービスです。

月額費用はVimeoと比較して高額ですが、これもチーム管理機能が充実していますし、特にセキュリティ対策が充実しています。

ドメイン制限やIPアドレス制限、ID/PWでの制限などをコンテンツ単位でできます。リンク元のURLを限定した再生制限などにも対応しています。

デジタル著作権管理にも対応しています。

導入企業数も多く、用途に応じたプランも豊富。サポート情報もとても充実しています。

気になるコスト

サービスの導入時に一番気になるのはコストです。今回紹介したサービスについては、以下のようになっています(2021年8月時点)。

※この表では先駆に依頼頂いた場合の作業手数料は抜いています。

YouTube Vimeo AWS Jstream(Equipmediaの場合)
初期費用 なし なし なし 5万円~10万円
運用費用 なし 700円/月~
7500円/月
従量制
(1TB/月でも136ドル/月)
5万円/月~
22万円/月+流量費
主要なメリット
  • サービス自体の利用料がかからない
  • 字幕等も追加費用なし
  • システムを利用してコンテンツ単位で販売可能
  • 広告・関連動画が表示されない
  • 有料サービスの中で比較的安価
  • 著作権管理可能
  • 高度なカスタマイズが可能
  • 通信量によっては比較的安価
  • 高度なセキュリティ
  • 目的にあわせた豊富なプラン
  • 著作権管理可能
主要な気を付けること
  • 広告
  • 関連動画が表示され、制御が難しい
  • 有料のイベントには向かない
プランによっては、データの通信量に上限がある
  • 大量に再生される場合はよく試算が必要
  • 機能が充実しすぎている
用途によっては比較的高価

先駆ならこんなことができます

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ここまでで動画配信に関して導入部分をご紹介してきましたが、動画編集やファイル形式、サービス選定、サービスの中でのプラン選定、サービスに動画をアップした後の動画の活用や効果の測定まで含めると、数多くの選択肢のなかから何度も選択していく必要があります。

先駆にご相談いただけましたら、動画編集からシステムを活かした動画の活用に至るまで、幅広い経験があります。どの段階でご相談いただきましても、お客様のご希望や最終的な達成目標、ユーザーの利用環境想定など様々加味したうえで、総合的な提案が可能です。

まとめ

YouTubeなどの無料サービスもありますが、動画配信や活用に至るまでは、数多くの検討事項や、無料では対応しきれない内容があるということはお判りいただけたことと思います。

  1. 動画の知識、サービスの知識、システム・ウェブの知識
  2. 具体的な動画の編集・エンコード
  3. サービスのメリット・注意事項の把握
  4. 目的に合わせた現実的な選択

など、ポイントは多くありますが、動画はとてもコンテンツとしての力が強く、幅広くアピールしていくために大変強力な武器になります。ぜひ、最大限に活用するお手伝いをさせてください。

ご相談いただけること、および、お客様と閲覧者の両方のお役に立てることを心待ちにしております。

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