2024年1月。スタートから数年がかりでのプロジェクトとなった東京富士美術館の創立40周年記念事業の一環であるウェブサイトリニューアルで、私はページ構成や画面設計などを担当しました。この記事では、どのような意図を持って実施していったか、一部となりますが紹介します。
目次
情報量の多さと探しやすさを両立させたい
収蔵品情報
東京富士美術館といえば!まずは豊富で魅力的な収蔵品ですよね。以前よりデータベースを活用した豊富な収蔵品情報を掲載していて、Google Arts & Cultureへのリンクなども設置されていましたが、既存の情報に加えて、画面に情報や便利な機能を追加しました。
- 館内の展示情報に加え、貸出中の場合にも、どの館のどの展覧会にいつまで貸し出されているかの情報と、詳細情報への外部リンク
- 同じアーティストの作品を探しやすい、収蔵品データベースやJapan Searchへのリンク
- ボタンを押さなくても最初から表示されている音声ガイドの再生UI
など、もとからあった情報も含めて、もっと知りたい!実際にこの作品を観たい!という気持ちを満たすことのできるページになりました。 私の大好きな、クロード・モネ「海辺の船」のページからぜひご体験ください。
サイト内検索
収蔵品の検索機能はリニューアル前からありましたが、ここでは、サイト全体のサイト内検索について紹介します。 今回は、Googleから提供されている「プログラム可能な検索エンジン」を導入しました。リニューアル前は、Googleの検索結果への外部リンクのリンクでしたが、これを変更した形です。
ここに、たとえば「モネ」と入力して検索すると、はじめはサイト内全体からの検索結果が表示されますが、タブを切り替えることで、展覧会詳細や収蔵品詳細に絞り込んだ検索結果や、画像検索の結果が表示されるようになりました。
機能としては小さなことではありますが、豊富な収蔵品情報だけではなく、40年以上の情報がしっかりと蓄積されているからこそ価値のある機能追加になったと思います。
展覧会
展覧会トップのページを新設し、開催中・開催予定の展覧会が見やすくなったほか、開催中のイベントや、現在展示中の収蔵品などもまとめ、訪問する直前に確認すると、「今行けばこんな体験ができる」ということが手に取るようにわかるようにしました。
また、開催中の展覧会のお知らせがほぼすべてのページに表示されるようにしました。
関連情報
ページの下部に「関連情報」のリンクを設置し、あわせて確認したいページについて、メニューを開かなくても次々に確認できるようにしました。
来館されるかたに便利にしたい
休館日か開館日かわかりやすく
ページの最上部に「本日は休館日です」「本日は開館日です」などの表示を加えました。
また、「入場料金・オンラインチケット」のページにも、同様にわかりやすく表示しています。
開館日かどうかや、開館時間について確認したあと、料金を確認してオンラインチケット購入、という、意識の流れ通りにコンテンツを配置しました。
展覧会個別ページに関連ニュース・関連イベントを表示
リニューアルで追加した機能で、展覧会の詳細ページに、関連ニュースや関連イベントを表示できるようになりました。 たとえば、源氏物語の展覧会にあわせて、十二単の着装実演会もあって、申込なしで参加できる!ということが、展覧会のページだけでわかるようにしました。
ラーニングプログラムの魅力を伝えたい!
リニューアル前は文章で簡単な説明しかなかったラーニングプログラムについて、写真や情報を充実させて、魅力が伝わりやすいように工夫しました。
学生のかた向けの「スクールプログラム」「カレッジプログラム」だけでなく、誰でも参加できる楽しいプログラムも提供されています。
まとめ
先駆に入社するよりも前から現在に至るまで、個人として数多く足を運んできた東京富士美術館のウェブサイトリニューアルに携わることができて大変光栄でした。利用者・来館者として長く見てきた目線で「こうなっているといいのに」と長く思っていたことを実現できましたし、入社後約10年で培ってきた知識や経験も活かすことができました。
ここに書いた内容は、美術館の、そしてウェブサイトの魅力のほんの一部です。ぜひ実際のウェブサイトに触れて、美術館に足を運んで、本物しか持ちえない魅力を目の当たりにして、私と一緒に東京富士美術館のファンになっていただければこんなに嬉しいことはありません。