祝日の朝、また表だけがずれていた
祝日の朝、AI に作ってもらった打ち合わせのアジェンダを、じーっと眺めていました。Google ドキュメントの見出しも本文も、左端にきれいにそろっています。ところが、表だけが、小指一本ぶんほど内側にインデントされているのです。

むむむっ?
このずれは、前から何度か指摘していて、自分の手で直したこともありました。数日前に AI に頼んだときは、三通り試したうえで「表の左端は外からは動かせません。画面で表の設定を0にすれば、数十秒でそろいます」という返事でした。
いやいや、そんな、そんな。数十秒でも、毎回となると話が違います。
もしかして、夜中に小人が
ひょっとして、夜な夜な小人がやってきて、表だけを、ぐいっと内側へ押しこんで帰っていくのでは!?

……いませんね。
もちろん、小人はいません。表は、作られたその瞬間から、ずっと同じ場所にいたのです。
表は、生まれたときのインデントを覚えていた
そこで今度は、その場しのぎではなく、作り方のところから直してほしいと頼みました。すると AI は、15分ほどで原因を突き止め、直してきました。
この文書には、「標準の文字」や「見出し」に、最初から 35.43pt の字下げが決めてありました。表は、差しこまれる瞬間に、この初期設定を自分の位置として受け取ります。一方、段落のほうは、仕上げの道具が毎回インデントを0に戻していたので、きれいにそろって見えていました。

ははーん
つまり、表だけが、生まれたときに受け取った位置のまま残っていたのです。表そのものを動かす手段が無いのは本当でしたが、表が受け取る元の値を先に消しておけば、あっさり済む話でした。直したあとは、表も見出しと同じ左端に、ぴたりとそろいました。
たい焼きの型に、小さなへこみ
たい焼きの型に、小さなへこみがあったとしますよね。焼きあがるたい焼きは、どれも同じ場所が同じだけへこみます。一つずつ包丁でちまちま整えることもできますが、型を一度直せば、あとはずっときれいに焼けます。
ずれも、これと同じなのですね。毎回、同じ場所が同じだけずれるなら、原因は目の前の物ではなく、それを生み出す型のほうにある。 しかも、段落のように毎回きちんと直してもらっているものほど、型のゆがみは見えにくくなります。
親ガメこけたら現象でした
小指一本ぶんのすき間をあけていたのは、表でも AI でもなく、文書のいちばん奥で静かにこけていた親ガメでした。 親ガメが起き上がると、子ガメの表たちも、するすると見出しの下に並びました。ドキュメントの中で続いていた「親ガメこけたら現象」は、その朝のうちに、おしまいになったのです。
同じ直しを何度もしていると気づいたら、目の前の物を押し戻す手をいったん止めて、それが生まれる元の設定を、ゆるりとのぞいてみる。そのひと手間で、明日からの直しが、まるごと要らなくなるかもしれません。